前回は金之助が精神的な病気になってしまいましたが、今回は鏡子や家族の力で金之助の精神面は安定させることはできるのか。そしてこの3話でもまた波乱があります。やっかいな客、それは養父の塩原昌乃助なのか荒井伴男なのか。どのように厄介なのか、早速第3話『やっかいな客』のあらすじなどについて書いていきます。

スポンサーリンク

【夏目漱石の妻】第3話『やっかいな客』あらすじ

引越、新聞社への就職

金之助(長谷川博己)は夏目家にやってきた猫を主人公にして初めての小説を書いた。明治38年春、金之助が『夏目漱石』という名で書いた『吾輩は猫である』は雑誌ホトトギスに掲載され、売り出された。あっという間に評判となり一躍小説家として知られるようになった。

この年の5月には日本がロシアのバルチック艦隊を打ち破り、日本中がわき返り、誰もが世の中に大きな変化を予感していた。

そんなある日、鏡子(尾野真千子)は家の前で奇妙な人を発見した。じっと見ているとその人物は去っていった。金之助は見覚えのあるその人物を家の中から見ていた。鏡子は家に帰ると占いの影響で家中の人形とこけしを寝かして置いた。そして、外にいた人物のことを金之助に言うも、金之助は知らぬふりをした。金之助に頼まれていた胃薬を忘れた鏡子は急いで買いに出掛けた。小説を書き始めて、金之助の神経は穏やかさを取り戻していたが、この3日間は違い落ち着かない様子だった。

明治3912月、夏目家は家主の都合で引っ越すことになった。金之助の教え子や鏡子の従妹・房子が手伝いにやってきた。歩いて荷物を運んでいる最中、教え子から金之助に大学を辞めて新聞社に就職するという噂があることを聞いた。新しい家に着くと、金之助が鏡子に断りもなく大学の月給以上もする立派な本棚を購入していた。何でも一人で決めるなと鏡子は先程の噂について問いただした。新聞社から小説家として給料を貰いながら小説を書いてくれという依頼があったそうだ。しかし、鏡子はそれに反対だった。金之助を作家として応援したいが、子供四人を育てるにはお金が必要だ。小説家と教師を両立してほしいと言うのが鏡子の言い分だった。言い合いの末、君は夢のない人だね、新聞社は断る!ポコポコ子供を産みやがって !と言って去っていった。

明治403月、夏目家には東京朝日新聞主筆・池辺三山が来ていた。お茶を出した房子から新聞社は月給が200円と聞き、鏡子は目の色を変えた。そして、池辺が帰った後金之助はもう一度鏡子に意見を求めるが、猛反対した手前すんなりOKを出せない鏡子。最終的に好きにしていい、と新聞社への就職を承諾した。金之助が新聞社に就職した明治40年は大きな事件が起きた年だった。日露戦争に勝った後の日本は貧富の差が激しく、各地で労働運動が起こった。2月に起こった足尾銅山の鉱夫達による暴動はは軍隊も出動し、不安を抱えた世の中を誰もが実感する事件だった。

養父との再会

金之助は教え子たちと歩いていた時、塩原を見たが見て見ぬふりをした。

その日、夏目家には金之助の養父・塩原昌之助(竹中直人)とその代言人・榎本好次が訪ねてきた。鏡子は金之助は出掛けていると一度断ったが、タイミング悪く金之助が帰ってきた。榎本は塩原が金之助のことを養子とはいえ実の子のように育てた。それは簡単に忘れられるものではないだろう、と言った。しかし、昔金之助は夏目家に240円で売られたことを根に持っている。塩原はその事実を認めるも今回はその話をしに来たのではなく、歳をとって寂しいから昔のように父親として夏目家に出入りさせてほしいという話だったのだ。金之助は忙しく来てもらっても会えないというも、引き下がらない塩原は金之助が夏目家に帰る時に書いた念書を出した。その念書には不実不人情にはならないように助け合って生きていこうという内容が書いてあった。塩原は見て見ぬふりをしたり、昔を忘れたりするのは不実不人情にあたるというのだ。それを聞いた金之助は具合が悪くなり、書斎に行こうとするがその途中で胃を抑えうずくまった。そして駆け寄った鏡子に塩原は金をせびりにきたんだ、追い返せといった。

数日後鏡子は夏目家の本家に金之助の兄・夏目直矩に会いに行った。20年も前に養子縁組を解消したのに今更念書を持ってきたことを直矩に伝える。金之助は幼かったため言いくるめられて書いただけだが、後々たかられると思っていたと。これには死んだ父親も怒っていたが、悪いのは塩原から金で金之助を取り戻した父親である。夏目家の上の兄達が亡くなり、夏目家を継ぐのは出来の悪い直矩しかいなくなったため、利口だった金之助を取り戻したのだと。しかし、塩原から金之助が帰ってきた時、父親は冷たく50歳過ぎてできた金之助には愛情はほとんどなかったらしい。直矩は子供ながらに塩原の家にいた方が金之助は幸せだったと思ったという。塩原は金之助が馬になれといわれたら馬になり、抱っこしろといったらずっと抱いていた、金之助を甘やかして親以上の親だったと。塩原から離れて金之助の居場所がなくなった。

その帰り道、近所の子供たちと遊んでいる塩原に出会った。金之助は言い出したら後には引かず、好きなことだけを夢中でやる、手のかかる夫だろうと鏡子に言った。自分がそのように育ててしまったと。塩原の父は裕福で何でも買い与えられ、嫌とは言わなかった。金之助がかわいくて仕方がなく、自分と同じように育てた。ただ自分には運も金もなく、坂を転げるように何もかもなくした。そのあげく金之助をたった240円で夏目家に帰してしまったのだと。鏡子にもその気持ちはわかる。鏡子の父・重一が何もかもなくしていくのを見るのはとても辛かったと。藁にもすがるつもりできたのはわかるが、金之助はすぐに沈む藁だと言った。しかし、塩原は一緒に沈むのなら本望だ、念書を握りしめそう言い去っていった。

金之助は胃が痛く書斎で横になって休んでいた。家に帰った鏡子は寝ている金之助に服をかけ、心配そうに見つめていた。

養父との別れ

ある大雨の日、塩原は夏目家を訪ね、執筆で立て込んでいる金之助を2時間も待っていた。金之助は胃薬を飲み、縁を切れと心配する鏡子をよそに一人塩原を待たせている部屋に行った。鏡子は二人の様子が気になって仕方ない。塩原はパナマ帽が見たいと言った。『吾輩は猫である』の原稿料で大金だしてパナマ帽を買ったという噂や新聞社の月給が800円という噂、家も立派だ。それに対して自分の家がどれだけみすぼらしいかを語った。雨漏りがすごく今年の梅雨は乗り切れるのかと妻に責め立てられると。奥さんは元気かと聞くと、人の価値を金で決めるやつで、金之助に会うというと、金をもらってこいとしか言わなかったらしい。金之助はお茶を運んできた房子にパナマ帽を持ってきてくれと頼む。そして金を貸す余裕はないと伝えるも、塩原はそんなこと言わず今月末までに屋根を直すため200円貸してれという。

金之助が断ると、塩原は声をあらげて嘘だ、新聞社から高額の金をもらっているんだろうと叫んだ。そして、昔金之助が夏目家に帰った後も何かと理由をつけて塩原に頼ってきたことを自分は断ったことはない、と念書を出し金之助を責め立てた。そこへ鏡子がパナマ帽を持ってきた。金之助は胃痛で苦しんでいた。塩原はパナマ帽を被り、こんな高級な帽子を被るくせにたった200円を融通できないわけないと。夏目金之助は不実な男、こんな男の書く小説に一文の価値もないと世間に言いふらすと言った。金之助が叫びかけたとき、胃痛で倒れこみ鏡子は駆け寄り金之助を支えた。塩原はそんな金之助を見て仮病だと言った。それを聞いた鏡子は塩原に怒鳴るが金之助は止め『この人はいい父親だったんだ。たった一人の大事な父親だったんだ。』と塩原を見ながら言った。それを聞いた塩原は目に涙を浮かべ、帽子を脱ぎ足早に夏目家から出ていった。

鏡子は金之助を房子に任せ、屋根裏にしまったお金を手にして雨の中、傘もささず塩原を追いかけた。そして3年かけて貯めた100円を塩原に渡した。夏目は4人の子供、お腹の中の子供、金之助を慕う若者を養っているため新聞社の給料では十分ではないと。急場をしのぐために金を渡す代わりに、念書は返して金之助と縁を切れと言った。塩原は鏡子に穴の開いた傘を置いて100円を持って走っていった。鏡子は傘もささずに帰ってきた。金之助に取り返した念書を渡し、あの方はもう現れないだろうと言った。金之助は念書をびりびりと破った。

金之助『これでまた一人身内が減った。身内というのは厄介だが、自分が生きてきた証拠のようなものだからね』

鏡子『…寂しい?』

金之助『君はどうだった?自分の父親を自分の手で切った。残念だ。俺は君ほど強くはない。』

立ち上がる金之助を支えようとする鏡子だったが、『いい』と断られてしまった。そして、鏡子はお腹をさすり破った念書を握りしめて涙を流し、そして無理をして笑った。

 

スポンサーリンク

 

荒井伴男との出会い

金之助は新聞社に入って初めての新聞小説を書いた。題は『虞美人草』書き始めた次の日に長男・純一が産まれ、秋にはまた引っ越しをした。

ある日、鏡子は相変わらず胃の具合が悪い金之助に薬を持っていき、あまり痛むようなら病院に言った方がいいと言った。金之助は小説を書いている者にはこの痛みはつきものだと言って薬を飲んだ。

明治4011月、房子が猫を探していると荒井伴男という青年が猫を抱き抱えてきた。足尾銅山で坑夫をしていた荒井は金之助に会うために足尾から3日かけて歩いてきたという。金之助に銅山や自分のことを話し、小説にしてほしくて会いに来たらしい。その日、金之助は6時間以上も荒井の話を聞いていた。房子は荒井のことをちょっと変な人、面白い人だと言って笑っていたが鏡子は素性もわからない荒井をあまりよく思っていない。鏡子は二人のいる部屋を覗いて金之助を呼び今日のところは帰ってもらおうと提案する。金之助は一気に聞いてしまいたいというが、鏡子は金之助の体を心配して譲らなかった。結局この日は帰ってもらうことになった。最後に金之助は荒井に自分で小説にしてみるといいと言い、宿代を渡し帰ってもらった。房子は荒井を見送った。それからしばらく荒井は姿を見せなかった。

房子は食料の買い出しに町にいたが町で集団で歌う社会主義者の中に荒井がいた。警察に見つかり、荒井は房子の手をとり走った。房子は走りながら荒井の手が温かかったからか不思議な心地よさを感じていた。

4話『たたかう夫婦』に続く。

【夏目漱石の妻】 第3話『やっかいな客』感想

鏡子・金之助・塩原のやりとり、3人の迫真の演技に引き込まれました。それぞれの思いが溢れていました。

鏡子は金之助のためを思って塩原との縁を切らせるも金之助には恨みがましく言葉を投げかけられ、立ち上がるのが辛そうな金之助を支えようとするも、『いい』と言われる。仕方がなく、金之助を思っての行動なのに。金之助は理解してくれていないのかその態度…私なら耐えられない。泣きまくって最後に笑ったのは開き直り?やっちまったみたいな感じの笑み?それとも笑わないとやってられない!という笑みなんでしょうか。内助の功とても立派です。有名になるとお金目当てにいろんな人が寄ってくるし、そのぶん鏡子は塩原にも荒井にも警戒したんでしょうね。第1話では親に甘えていて、朝も起きられなかった、そんな鏡子が今では節約してお金をコツコツ貯め、夫を思いおおらかな心で覆い、非情なこともする。すごく成長していますよね。私ごときがいう言葉でもありませんが(笑)本当に鏡子さんスゴイ!

金之助の過去とても苦労したのですね。慕っていた塩原と別れ、その後も何かと頼っていた。でも今回塩原が会いに来た理由は、会いたかったから来た、のではなく金をもらうために来ている。とても悲しいですよね。いい父親だった塩原がお金をせびりに来る。胃痛で苦しんでいても仮病だという。そんな落ちぶれた塩原を見るのはとても辛かったでしょう。だけど昔の思い出もあり、自分から縁を切ることはできない。鏡子が塩原と対決し縁を切って戻ってきたときも『また身内を一人失った』と冷たい態度をとる。やるせない気持ちなんでしょうが、もう少し鏡子の気持ちに寄り添うこともしてほしい、と思ってしまいました。

塩原は自分がやってもらったのと同じようにかわいがった金之助。仕方がなくお金をもらい夏目家に帰したが、夏目家に帰ってからもちょくちょく自分の元へとやってくる金之助を本当の子供のように育てたのは事実なのでしょう。しかし、その時にちゃっかりと念書を書かせるあたり、今回のように金をせびれるようにと裏があったのか…もしくは本当に養子縁組は終わったけど本当の親子のように今後もつながっていたいという素直な気持ちだったのか。後者であってほしい。

房子ちゃんにも恋の予感ですね。荒井と駆けて行って二人の進展はあるのでしょうか?来週が楽しみです。

【夏目漱石の妻】第4話『たたかう夫婦』どんな展開に?

早いものでいよいよ最終回です。

そして、過去に結婚の約束をしたとかしてないとか…大塚(壇蜜)登場です!そんな大塚と金之助が近頃親しくしていることを知る鏡子。当然気分は穏やかではないはず。気になりまくりのはず。ある日、夏目家に親しく出入りしていた荒井が、鏡子のいとこの山田房子から借金したまま姿を消してしまいます。房子の行方もわからず、二人を探す鏡子。金之助はというとその頃から執筆活動が忙しくなり、胃の病の療養のために静岡の修善寺に行くが…。という内容に。

大塚と金之助の様子を気にする鏡子、想像するとコミカルな鏡子を演じる尾野真千子さんが浮かびます(笑)直接対決楽しみです。金之助さん亡くなってしまうのでしょうか。まだ若いでしょうに。また、房子ちゃんと荒井の関係性に進展があるかどうかも楽しみです。

こちらの記事も読まれています