いよいよ最終回となりました。『夏目漱石の妻』。とても楽しいドラマだったので少し残念でしたが、どのような展開になるのでしょうか。金之助が結婚まで考えた女性、壇蜜さん演じる大塚楠緒子が登場します!楠緒子との直接対決、鏡子はどのように応戦するのでしょうか。楽しみですね。ということで、最終回のあらすじなどについて書いていこうと思います。

【夏目漱石の妻】第4話『たたかう夫婦』あらすじ

ある朝、鏡子は房子が買物に行ったきり2時間帰ってきていないことを心配していた。金之助も何も知らないらしい。そんなとき、金之助が頼んでおいた文鳥が届いた。鏡子はまた無断で買い物をした金之助に自分で世話をするならどうぞ、とあきれた顔で言った。

その頃、荒井と房子は2人で走っていた。今の世の中は変えた方がいい、と言う荒井に房子は同調し、金之助に先日の話の続きをしたいという荒井を夏目家に連れてきた。筆子も荒井にはなついているが、鏡子は荒井に対して警戒心を持っているようだった。

ある日、水も餌もなかったらしく、文鳥が死んでしまった。金之助は留守中は面倒を見るように鏡子に行ったと言うが、鏡子はそんなことは聞いていない。金之助は文鳥の葬式を盛大にやるというが鏡子はたかが鳥のために、と言う金之助は鏡子の頬をぶった。

そんな中、房子が朝日新聞社からの電報を持ってきた。年明けから小説を執筆する予定だった島崎が執筆が進んでいないため、責任者である金之助が穴を埋めろとのことだった。何でもいいから230回分書けないかと。年明けまであと2週間、困る金之助に、鏡子はずっと話を聞いている荒井の足尾銅山の話を小説にすればいいと提案した。房子にも銅山の話なら読みたいと言われ、金之助は早速小説を書き始めた。題名は『坑夫』年をまたいで書き続けられた。

明治411月。荒井は金之助の書く文章の確認に毎日のように夏目家を訪れた。小説『坑夫』は1月から始まり、月末までには書き終わった。

ある日、鏡子は金之助の留守中に書斎で荒井が書きかけの原稿を勝手に読んでいるのを発見し、注意をした。題名は『文鳥』、荒井は金之助の心境がよくわかって面白いと言った。そして鏡子は読まない方がいいとも言った。内容は、飼いはじめてすぐに死んでしまった文鳥の話で荒井はこのように語った。

『荒:昔好きだった娘と文鳥が気持ちの中で一体となるところがあって、先生の過去の秘密がちらっとのぞけるんです。相手は、首筋のほっそりした浮世絵的美人。文鳥はその美人を思い浮かばせる、美しい生き物なんですよ』

それを聞き、金之助が過去に理想の女性だといった大塚楠緒子のことだと悟った。

『荒:奥さんもいずれお読みになればわかります。作家の本音や好みは書かれているこの中に転がっている。そう思いません?』と声をあげて笑い帰っていった。

大塚楠緒子登場!

荒井が帰ったのを確認して、鏡子は『文鳥』の内容が気になり見たいと思う…がそこで女中から声がかかり出向くとそこには小説家・大塚楠緒子(壇蜜)がいた。門下生の小宮豊隆が金之助に会いたいと言う楠緒子をつれてきたのだ。『楠:大塚です』楠奈子のしっとりとした口調に対抗し、いつもより高めでしっとりとした口調で『鏡:夏目の、家内でございます』とあいさつをした。それを見た小宮はひっそりと笑った。金之助の推薦文により、4月から朝日新聞に連載を書くことになったことへのお礼に来たそうだ。しかし、金之助は留守であったため、楠緒子は帰ることになり鏡子に金之助にお礼を伝えてほしいと言って帰っていった。

鏡子は楠緒子を見送ろうとする小宮を引き留め、金之助と楠緒子のことを聞き出そうと、お茶に誘った。最近、金之助は楠緒子と頻繁に会って食事をしていたようだ。結婚当初金之助から理想の女性は楠緒子だと聞いた話をすると、小宮は金之助は無神経なところがある、と言った。荒井のようにろくに挨拶もしない男を自由に出入りさせ、門下生には厳しく制限をする。小説の件もあり、甘くなるのはわかるが門下生にも不満があるらしい。しかも、荒井はおでんやをやると門下生らや房子にお金を借りているというのだ。

荒井はひと月姿を見せず、房子は日を追う毎に不安になっていった。そんな房子に鏡子はおでんやに行こうと提案した。二人はおでんやを探したが、ついには見つからなかった。しかし、房子は嘘をつくような人ではないと信じていた。鏡子は荒井のことを、出生がわからず小説の題材になり、夏目家に住み着く…うちの猫みたいな人だと言った。

荒井の目的

ある日、夏目家に警察がやってきた。荒井は足尾銅山の騒乱事件に関わった人たちをかくまっていた疑いで警察に捕まっていたのだ。荒井は身元を明かさず、金之助を名前を出したため、金之助が引き取ることになった。

金之助、鏡子、房子、荒井は客間で話をしている。房子が貸した金は使い果たしたらしい。そしておでん屋を出そうと思ったがうまくいかなかったと。『荒:自分でもうんざりするほど中途半端な人間』と。そして荒井は新聞社に行き、坑夫は全て自分から聞いた話で金之助はろくに調べもせずに書き、書き終わったら謝礼もよこさない、ずるくてせこい作家だと言ったらしい。荒井は自分の父と似ている金之助の名誉を傷つけたかったのだ。荒井の父は戦争をさせて金を稼ぐことしか考えていない男で、兄は戦争で死に、母は去り、荒井も家を出た…荒井の家はバラバラに壊れた。

荒井は吾輩は猫であると読み、夏目家のような普通の家の賑やかで、ちょっとほろ苦くて、温かい、夫婦と子供と猫と、それを取り巻く人たちと、そういう家族があるんだと感動したらしい。しかし、夏目家に来て、それは違ったことに気が付いた。夏目家も壊れていて金之助だけが気が付いていないと指摘し、鏡子を愛しているかを泣きながら問うた。

その質問に金之助はただたばこを吸っていた。鏡子は不安そうに金之助を見つめていたが、何も言わない金之助を見て、我慢できなくなった鏡子は答えた。
『鏡:ははは、ははは、主人にそんなこと答えられるわけがないでしょ。うふふ、小説のことしか頭にない人ですよ』と。

金之助は荒井にはもう関わりたくないと書斎に出て行った。鏡子は悲しそうに金之助を見て、書斎について行った。

荒井に金をやって帰せと言う金之助に、鏡子はその前に『文鳥』を読ませてほしいと言った。昔好きだった人を思い出させる文鳥、描かれている女の方がどのような人か気になり人目に触れる前に読んでおきたいと。なかなか首を縦に振らない金之助に我慢ができず、鏡子は原稿を手に取った。

『金:さわるな!今までも読ませたことはないだろう。何を急に言い出すんだ。これはダメだ』と金之助は原稿を奪い取った。

『鏡:文鳥のことで、あなた私に手をおあげになった。私はあなたにとって何なのでしょうか。文鳥以下の値打ちですか?

『金:バカなことを』

『鏡:バカなことかどうか、読めばわかるじゃありませんか!私はあなたの妻です。これぐらいのお願い聞いてくださっていいはずです』

『金:よせっ夫が嫌だと言うことをお前は力ずくで取るつもりか!金之助は鏡子を突き飛ばした。

『鏡:そんなにお嫌ですか?』

『金:嫌だ!』

『鏡:じゃあお聞きします。その中に出てくる女の方を愛されたように、私も愛されてきたでしょうか?答えてください!私一度聞きたかったんです。これまで、愛されたでしょうか?』

『金:さっき君は答えてたじゃないか。主人にそんなことは答えられない。小説のことしか頭にない人だと』

『鏡:それで、よろしいんですか?』今日は涙を流した。

『金:いい答えだと思うがね』

『鏡:このうちはどこか壊れていますよ。荒井さんが言った通り』

金之助は何も言わなかった。

荒井は房子に今持っているだけの小銭を差し出し、残りは働いて必ず返すと言った。荒井は父の所に帰って援助を受けて小さくても自由に考えを主張できるような新聞社を始めるつもりらしい。『荒:いいと思いますか?』房:いいと思います』房子は笑ってうなずき、二人で笑った。

房子が荒井を見送り家に入ろうとすると、鏡子が庭にいた。『鏡:房子ちゃん、呉服屋さんに行かない?なんだかくさくさして仕方がないの。着物でも作ってやろうかと思って。あなた新しい羽織がほしいって言ってたじゃないの。買ってあげるわよ』

その後荒井から貸したお金が送られてきた。そして房子が荒井に会うことは二度となかった。

その年の秋に猫が死にんだ…名前がないまま。裏庭に猫の墓を作り、その死を悼んだ。

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病状の悪化

それから2年が経ち、世の中は大事件に驚愕した。平民新聞などを出して有名だった幸徳秋水が天皇陛下暗殺を企てて捕らえられたのだ。金之助はこうした世の中を横目でみながら、ひたすら小説を書き続けていた。小説を書くたび胃の具合は悪化していき、何度も激痛に襲われのたうち回りながらの執筆となり、ついには入院することになった。病名は重い胃潰瘍だった。

鏡子と子供がお見舞いに行くと、甘いものを禁止されているにも関わらず、金之助はこそこそとクッキーを食べていた。恒子にクッキーを差し出す金之助だが恒子は『手が汚い』そういって、鏡子に『帰りたい、帰ろうよ』と走って部屋から出ていった。先週は筆子がお見舞いに来たが、一言もしゃべらず帰ったそうだ。金之助は子供たちは鏡子によく似て、正直だが不愛想なため将来旦那になる男は気の毒だと。金之助自身は結婚した時はそういうところが自然で良いと思ったが。鏡子に結婚を後悔しているのか問うと、鏡子は再び結婚するときの鏡の占いの話をした。それを聞き、金之助は言った。

『金:もう信じちゃいないだろ、そんな占い。正直に言ってみろ。今はもう、信じちゃいないだろ?』

『鏡:時々迷います。でも今まで信じてきましたから』

『金:俺は神も占いも信じない。親に捨てられて、子供の頃そう決めたんだ』

『鏡:残念ね』

『金:だから俺たちははぁーもういい。疲れた。帰ってくれ。俺はここを出たら伊豆へ行く。修善寺で暫く療養するつもりだ』

鏡子も修善寺に行くと言ったが来るなと言われ、傷ついた様子で病室から出て行った。

8月に入って退院をした金之助はしばらくの間、療養のため修善寺の温泉にいた。しかし、間もなく金之助の具合が良くないという電報が鏡子に届いた。修善寺にいた金之助が吐血したのだ。そして818日、鏡子に金之助が重体だという電報が届いた。

汽車で向かっていく途中鏡子は様々なことを思い出していた。金之助との結婚を決めた時のこと、金之助と一緒に歌を歌ったこと、小説家になりたいと夢を語った金之助、手を繋いで寝たことを。鏡子が修善寺につく頃には金之助の容態は安定していて話もできるくらいだった。

『金:俺は大丈夫だぞ』かすれ声だったが、鏡子は一安心した。

金之助は鏡子がきてから数日間は胃の出血も減り、回復の兆しが見え始めた。東京から主治医が来たときもそうだった。主治医は大丈夫、病状は良好だと言い帰っていった。しかし、金之助は主治医が帰って間もなく大量に吐血した。鏡子の着物は金之助の血に染まった。医者たちにはもうだめだと言われた。

処置の甲斐あり、金之助は一命をとりとめた。しかし、また吐血があると命はないという。そんな中、金之助が目を覚ました。

『金:妻は?妻は?』近くにいる鏡子に気が付かず、主治医に話しかけた。そして鏡子に気がつき、

『金:大丈夫だよ。心配するな』かすれた声で繰り返しながら涙を流した。

『鏡:大丈夫、大丈夫ですよ』

『金:鏡子、家へ帰ろう』

『鏡:はい』鏡子は泣き崩れた。

理想の女性

金之助は再度吐血することもなく、危機を脱した。そして夏目家に帰ってきていた。

ある日、病気が治った金之助は長野へ講演に行くことになり、鏡子と房子はともに荷造りをしていた。房子は名古屋に嫁ぐこととなり、この荷造りが最後の手伝いになった。鏡子は金之助について長野へ行くといい、みっともないからやめてほしいと言っても聞かなかった。房子は4年間鏡子の側にいて、人には個性があり、男だけではなく女にもある。そこから美しい生き方が生まれるってことがよくわかったと言った。金之助は房子は門下生の東洋城や小宮と結婚すると思っていたらしいが鏡子と房子は『それだけはない』と答え、笑った。

金之助と鏡子は山道を歩いている。鏡子は坊ちゃんに出てくる『きよ』という婆やは自分のことではないかと金之助に聞いた。『きよ』はいつも坊ちゃんをかばって世話を焼く、性格は男っぽいところがあるが優しい人柄である。

『鏡:ふふ、私の名前は鏡子だけれど、あなたもご存知の通り、本当の名前は漢字一文字で鏡と書いてきよと読むんですよ。子供の頃はきよきよと呼ばれていました。きよは婆やだけれど、性格は私によく似ている。死ぬ間際に同じ墓地に入りたいと頼むでしょ?そこで坊っちゃんを待っていたいって。あそこを読んでこれ私だってそう思ったんです。あれは、坊っちゃんの理想の女の人でしょ。きっとそうよね』

『金:だから、きよさんは私だって?』

『鏡:うん』

『金:君はどこまでも君だねー。そういうことにしておこう。きよさんは君だ』

この旅は鏡子と金之助が結婚して15年目の初めての波風のない安らぎに満ちた時間だった。この後、金之助は様々な名作を書き、明治の文豪と称えられた。それらの作品は鏡子とともに戦った記録でもあったのだ。 

終わり。

【夏目漱石の妻】 第4話『たたかう夫婦』感想

壇蜜さん、しっとりとしていて美しかったですね。ゆったりとした話し方もぴったり。その楠緒子の口調を真似する鏡子、面白かった。負けず嫌いな鏡子の性格は本当にわかりやすい。

金之助が荒井に問い詰められたとき、金之助が話す前に先に話をして笑ったのでしょうか。返答に困っている金之助のためもあるでしょうが、きっと自分のために先に口を開いたんですよね。あの場で何も言わない金之助を見ておくのは辛いことです。思いなんて言葉にしないと伝わらないし、しかも口下手な金之助。あの場で言えるわけない、と思っていながら愛していないだなんて言われたらショックですもんね。

それにしても、金之助の吐血の量半端なかったから絶対死ぬ…と思ったけど、死ななくてよかったです。そして『俺は大丈夫だぞ』とか『心配するな』自分が死んでしまうかもしれないというのに鏡子に心配させまいと優しく話しかける金之助さんが素敵でした。今までは鏡子に対する愛情みたいなものが見えにくかったですが、あのシーンでは完全に鏡子に対する気持ちが表れてますよね!鏡子の金之助への愛はきちんと伝わっていたんですね。

そして最後のシーンなんかもとても微笑ましかったですよね。ついに鏡子のことを『理想の女性』と白状しましたね。愛されることに慣れていなかった金之助。病気を経験して鏡子への感謝もあり少しは気持ちが柔らかくなったのでしょうか。あんな穏やかな金之助は見たことがない。鏡子といてもいつも言い合いばかりでしたもんね。病気が治って以降、二人が毎日あんな風に穏やかに暮らしてくれていたと思うとなんだか嬉しくなっちゃいます(笑)

ということで、終わってしまいましたね『夏目漱石の妻』。文豪、夏目漱石を支えた鏡子さん、負けず嫌いでユニークで、そして愛情の深い素敵な方。すごいことやってのける人はその人だけで頑張ってきたのではなく、家族やそばにいる人あってのものなんだと言うことがよくわかりました。終わってしまったことはさみしいですが本当に素敵なドラマでした!